積極的失敗学

2018.02.05
積極的失敗学

サラリーマン時代、大変お世話になった中卒で元ヤンキーの先輩社長から「買ってでも失敗しなさい」と言われました。子どもの頃から失敗しないための教育を受けてきた中、「あえて失敗しろ」の教えは、結構な衝撃でした。
その後、創業してお店を開業することになるのですが、その言葉が、一歩を踏み出す大きな勇気となりました。開業したお店は当初の計画通りに進まず、あの手この手で試行錯誤を行い、挽回するのに相当苦労しましたが、今思い返すとそのときにぶち当たった壁のおかげで、ずいぶん戦闘力が高まったように思います。死闘を繰り返して強くなっていくドラゴンボールの孫悟空のリアル版です。
これから新しいコトを起こそうとするとき、誰しも正解を求めようとしますが、今の時代、その正解が誰にもわからないことが多いように思います。私のところにも日々、「私の考えている事業はうまくいくでしょうか?」と相談にこられますが、「やってみないとわかりません」の一言です。そんな正解のない問いに対して、トライアンドエラーで小さな失敗を繰り返し続けるプロセスを習得することが、正解にたどり着く一番の近道のように思います。まさに「失敗は成功のもと」。大事を成し遂げている人ほど、小さな失敗を楽しむ素養を身につけています。
逆に、「絶対に失敗しないぞ」と意気込むと、じっくり頭で考えて考えて考えて、そうして身動きがどんどん取りにくくなり、石橋を叩きすぎて壊してしまっている人も多く見かけます。そうならないように、何かをはじめようとするとき、小さな失敗経験を積極的に積み重ねてみてはいかがでしょうか。本当に失敗するかどうかはともかく、その心構えだけで、ズッシリと肩に乗った重荷がとれ、身も心も軽くなると思いますよ。ただし、首の骨を折るほどの大失敗は避けてくださいね。次のチャレンジができなくなってしまいますので(笑)。(北池)

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