ちょっとした記事

イベントづくり論 #8 1000マイル先のやる気スイッチ

マルシェイベントにおいて、出店者との連絡のやりとりはとても膨大でありながらも繊細な作業。良いイベントとするためにその作業”だけ”は丁寧に大切に取り組まなくてはいけません。けれども、お互い人間です。時にはコミュニケーションの不一致でトラブルになる、なんてこともしばしば耳にします。それもそのはず。出店者の大半は、普段のお店の営業や作家としての創作活動、さらには別のイベントへの準備などでとても忙しい毎日を送っているのです。そんな出店者に振り向いてもらうために、イベント主催者は何をするべきでしょうか?

その答えは、とてもシンプルで“その人に会いに行くこと”。ごくごくありふれた原始的な方法ですが、結局のところこれなんですよね。今は電話やメールといった連絡手段のみならず、スカイプやグーグルハングアウトなど、顔を見ながら遠方の人ともコミュニケーションがとれるほどに便利な世の中、それらに頼ることに疑問なんて感じません。もちろん、日々の膨大な業務を回していくためには、欠かせないツールですし、そうでないとイベントの開催なんてできません。けれども、イベントも結局のところは人と人の中で生まれるもの。対面することで、はじめて通じ合える心がやっぱりあるんです。

とはいえ、全国津々浦々全ての出店者に平等に会いに行くことが、どれほどまでに険しいか想像に難くありません。そんな時は、距離と回数でバランスをうまいことバランスをとります。それが遠方ならば一球入魂。せめて一回だけでも会いにいき(なんなら泊りがけで)、その分たっぷりと自分の想いを伝えて、相手の想いも受け止める。相手も「イベントの出店だけでこんな遠くまで会いに来てくれた!」と、嬉しくないわけがありません。逆に近隣地域からの出店者ならば、日頃からのコミュニケーションを大切にする。その会話の中から、出店者の不安に感じていることも解決できるでしょうし、イベント当日に向けたブース作りを一緒に考えたり…。次第に相思相愛の気持ちになっていけば、そのイベントはもう成功したようなものです。

かくいう私も、かつては北は北海道、西は九州まで遠征したこともしばしばありました。最近では日本を飛び出して海外にだって会いに行くなんてツワモノもいると聞きます。出店者のやる気スイッチを押すことができるのは、他でもない主催者のあなたしかいません。そんな存在になれることが醍醐味でもあり、イベント主催者の誇りとなっていくのです。(加藤)