そばではたらく
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ちゃんと稼いで選択肢を増やす

これまでに2回の連載を通して、育児をしながらする“自分らしいはたらき方”について考えてきたハタラクカイギ2017。最終回のテーマは、“好きなことでお金を稼ぐこと”について。やりたいことを実現するときに誰しもが通過するこの道をどう歩むべきなのか。より本質へと迫っていくハタラクカイギ、最終章です。

大黒柱の責任と我慢

北池「個人的な意見としては、私はパートナーにしごとを持ってほしいと思っています。もちろん、共働きであることで経済的に楽になるというのはありますが、それ以上に、母親や妻としてだけでなく社会との接点を持っていることが大事かなと思っています」

小崎「私は、そのすれ違いで一度失敗をしましたが、その反省を今後に活かせる場面に遭遇したら、“夫婦間でお互いへの感謝の気持ちを示す”ことは忘れないようにしたいです。母親が家事をしなくてはいけない現実もわかるし、父親が家族を背負う責任も、今ならわかるから」

吉田「会社を辞めてフリーになる時に知人に相談すると、反応が2つに分かれたんです。しごとを楽しそうにしてる人は『応援する!』と言ってくれて、退屈そうにしてる人からは、後ろ指をさされてしまい…。旦那さんに相談をして、仮に難色を示されることがあるとしたならば、それは今のしごとを我慢して続けてくれている証拠なのかもしれませんよね」

自分が経済的な支えになるつもりで

北池「好きなしごとだけをするのは理想ですが、一方で、家族が生活するのに困らない収入を稼がなければならないのも事実ですよね。『好きなしごとをしたいから、年収200万でも許してくれる?』みたいな」

中田「少なからず、旦那さんの稼ぎに甘えたくなる気持ちはありますよね。ただ私はそれが悔しいので、いつか主人の収入を抜いてやろうという気概でやっています。奥さんが経済的に支えることができるのであれば、旦那さんの“しごと”や“くらし”の選択肢も増やせると思います」

北池「経済的な安定が、はたらき方の選択肢を広げることにつながるのかもしれませんね。世の中“お金を稼ぐ”ということが、悪いことのように捉えられることもありますが、ちゃんと稼いだ方がいいと思います(笑)」

中田「忘れてはいけないのは、“好きなことをやるためには勝算があってこそ”ということです。お金を後回しにしないからこそ、突き詰めたしごとができる。そして、結果が伴ってきたらそれを少しずつ家族へ共有していくんです。理解も少しずつ追いついてくると思いますよ」

会議が終盤になるにつれて、それぞれの想いがより洗練されたメッセージとなっていく。

自分らしく、一歩踏み出すために

小崎「一度きりの人生。やりたいことをやってほしいです。でも、やると決めたからには腹を括って、まずは今“私には何が必要なのか”を想像してみてください。地域で様々な人としごとをしていると、母親は色々なことを同時に行う能力に長けていて頼もしく感じる場面に多く遭遇します。育児をこなせている自分に自信を持って、思い切って挑戦してみてください」

吉田「今の生活を変えたいけど、自分は何がやりたいことがわからないという人も多いと思います。私はそんな人の助けになれるような活動をしていますので、ぜひ一緒に考えていきましょう」 

中田「しごとは人とするものです。私にとって、パンはあくまでもそのためのコミュニケーションツールのひとつ。だからこそ、まずは身近にいる家族とコミュニケーションをとり、ゴールを決めてから行動してほしいです」

北池「プライベートに踏み込んだ貴重なお話をありがとうございました。はたらき方というのは、置かれている環境や、家族との関係性など、様々な要素の上で成り立つものだと思います。だから、はたらき方の正解を探すのではなく、それぞれにとって“自分らしい”はたらき方を探っていくことが大事なんだと思います。一人で悩まず、色々な人のはたらき方を知ることで、勇気にかえてほしいですね」

“自分らしく”あるために、短いようで長い人生の旅はまだまだ途中。育児をしながら旗振り役を担ってきた、等身大の試行錯誤。その、どれかひとつだけでも、みなさんにとって心を前に進める原動力となりますように。(カトウ)

春の陽気につつまれたみなさんの笑顔は、険しい道のり通ってきたからこそ、いっそう素敵に見えるのでした。

プロフィール

中田よしこ

東日本大震災を機に、サラリーマンからパン屋の道へ。代官山の老舗ブーランジェリーで修行後、新しいパン屋のカタチとしてフリーのパン屋を始める。平行して吉祥寺でパンの朝市、パンイチ!を始める。8歳の双子の母。
http://ameblo.jp/n-bakery

吉田麻理子

リクルート在籍時より工作作家として活動を開始。2015年に退職しフリーランスの道へ。日々の暮らしの中で思ったこと・感じたことを、写真・文章・工作などを通し、ブログや育児メディアで表現している。
http://pottiri12.tumblr.com

小崎奈央子

立川のけやき出版にて書籍編集者、地域情報誌たまら・び編集長を経て、2015年に4代目代表取締役社長に就任。経営と編集長を兼務しながら多摩エリアの情報発信を行う。
http://keyaki-s.co.jp

地域と、暮らしと、ハタラクカイギ2017

http://www.city.musashino.lg.jp/koho/pressrelease/pressrelease201702/1015461.html