ちょっとした記事

まちづくりの楽園“高架下”

都心から郊外まで、電車の路線が入り組む東京は世界有数の鉄道都市。その中には、道路との交差や、事故・渋滞を防ぐことなどを目的として高架化されている場所が数多くあります。

バスターミナル、駐車場、倉庫といった使われ方も多い一方で、“ガード下”という呼び名で思い浮かぶのは新橋〜有楽町間の高架下。居酒屋が並ぶ赤煉瓦の高架下は、明治時代に完成した“鉄道遺産”として愛されています。兵庫県神戸市にある通称「モトコー」は、神戸~元町駅間の高架下にある商店街。こちらも昭和初期から続く歴史ある店並として有名です。
近年では、2010年の秋葉原「2K540 AKI-OKA ARTISAN」(JR東日本)、2016年の「中目黒高架下」(東急電鉄)などを皮切りに、高架下の商業施設が相次いで開業。鉄道の国イギリスでは、長らく倉庫使いされていたロンドンの高架下が、ストリートフードの名店に人々が集まる“カルチャー・ハブ”に生まれ変わり話題を呼んでいるそう。

店舗だけでなく、保育所などの公共施設が入るケースも増加するなど、商業とまちづくりの観点から“高架下”活用へ注目が集まっています。今まさに高架化工事を進めている路線も複数あり、同時に生まれる高架下の空きキャパシティがどんな風に使われるかによって、その周辺の地域の暮らしが変わっていくと思うと期待が膨らみます。

JR中央線東小金井駅から高架下を徒歩5分の場所にある創業支援施設PO-TO(左)とKO-TO(右奥)。

そして、そんな高架下は郊外にも生まれています。東京の大動脈であるJR中央線では、2010年に三鷹〜立川間の高架化が完了。駅周辺の土地が単純に貴重で、商業施設があれば膨大な人が出入りする都心とはまた異なり、より暮らしに近い郊外では、高架下は幅広い可能性を開拓していくことが求められる空間です。JR東日本は、商業施設「nonowa」の開業とあわせ、駅間の開発に力を入れています。
中央線で吉祥寺から西へ2駅、武蔵境〜東小金井駅の高架下にあるのが、2つの創業支援施設。2014年に開館した公共施設の「東小金井事業創造センターKO-TO(コート)」と、2017年にオープンした「PO-TO(ポート)」です。法人登記が可能な仕事場、店舗やショールームを併設できるシェアオフィスとして利用でき、事業相談や交流会などを通して地域での創業をサポートしています。

シェア施設PO-TOには、駅から続く道に面して、近隣に暮らす主婦がオープンさせた店舗などが並んでいます。

高架下は駅からアクセスしやすい一等地で、電車利用者にとってはまちの顔。暗さや騒音などの性質も、雨をしのげて多少の作業音なら気にならないというメリットに転換できます。特に郊外では住宅もすぐ近くにあることを加えると、高架下は、自分の暮らしのそばを拠点にして、新しくお店やサービスをはじめるのに適した場所のひとつです。

この春、KO-TOとPO-TOに隣接して、食とものづくりのシェア施設「MA-TO(マート)」がオープンします。3つの施設を合わせ、100以上の起業家が集まる創業支援施設群が生まれる予定。多様なしごとがあり、食やものづくりがあり、人が集まる場所。高架下という空きキャパシティ活用のモデル構築を目指しつつ、創業支援施設からまちをつくっていく試みがはじまります。

“つくり手が集まる市場”

MA-TOは、自分のオリジナル商品を作って、販売することができるシェア施設です。業種や規模にあわせた6つの区画から、自分にあったものを選ぶことができます。

MA-TO完成イメージ ©︎仲建築設計スタジオ

食のお店を開くことができるRESTAURANTは、水道・ガスが使える専有個室。換気扇、2槽シンク、手洗器などが初めから設置されているので、少ない初期費用で飲食店を開業できます。広さのある10㎡の部屋なら、自由に内装工事をすることも可能です。

「お店は月に1度でいいからもう少し手軽にはじめたい」といった方にオススメなのはKITCHEN。業務用の厨房機器を共有利用し、自分の屋号でお店を開くことができるシェアキッチンです。菓子製造業と、飲食店営業の営業許可が取得できます。

イベントや街中での出張販売を検討している方は、屋外にあるGARAGEにキッチンカーを停めて販売するという選択肢も。食べ物に限らず、作品をワゴン販売したり、工房としてものづくりをするなど、自由に空間を使うことができます。

SHOPは、物販店舗や工房として使える専有個室です。駅から続く道の1階路面店として24時間365日利用できます。ガラスドアのそばに机を置いて作るところを見せながら、奥に商品を陳列する…というレイアウトも目を惹きそう。駅近のギャラリーとしてアンテナショップ的に使うのにも便利な立地です。

本格的な機械を使ったものづくりができるのはシェア工房のFACTORY。レーザー加工機や3Dプリンターといった高価な工作機械を共有することで、アクセサリー作りや新商品企画も1人で気軽にはじめられます。

FACTORYとつなげて使うこともできるCLASSは、趣味を活かした講座をはじめ、学習セミナーやイベント開催に利用できるシェア教室です。道に面したガラス張りの開放的な空間を貸し切りで使うことができます。

KO-TO (コート)、PO-TO(ポート)に続く施設であり、市場 martから着想を得て、MA-TO(マート)と名付けました。

工事が進むMA-TO。3月25日のオープンを予定しています。

MA-TOでは現在、第1期の利用者募集がスタートしています。内覧会(事前申込不要)を開催していますので、ぜひ一度現地を訪れてみてください。


概要
名称MA-TO(マート)住所東京都小金井市梶野町1-2-36アクセスJR中央線 東小金井駅より徒歩6分面積敷地面積:約670㎡ 延床:約170㎡区画名/月額利用料RESTAURANT/84,000円(6.60㎡)・94,000円(9.42㎡)
SHOP/58,000円(6.60㎡)・76,000円(9.42㎡)
KITCHEN/30,000円
FACTORY/6,000円
CLASS/7,800円
GARAGE/7,800円(6.25㎡)
URL http://koukashita.jp募集要項上記ホームページよりダウンロードください第1期募集締切2018年3月20日(水)17時必着内覧会3月15日(金)14:00
3月15日(金)19:00
3月18日(月)10:00
※事前申込不要・現地集合
問い合わせ Mail koukashita@town-kitchen.com
Tel 0422-30-5800