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[欧州巡記 vol.1]歩くのが楽しくなる道づくり

自動車による悲惨な事故のニュースが絶えない日本。本当に胸が痛みます。高齢化社会と車社会の未来を考える時期なんだろうと思います。
今回訪問した3つの都市は、いずれも歩くのが楽しいまちでした。共通しているのは、歩道が広いこと。お店からテラス席が大きくはみ出していても、全然問題なし。広い歩道を安心して歩けることが、いかに豊かであるかを感じました。
加えて、道を彩る緑の充実も感じます。上から吊られたもの、ワゴンに載ったもの。日当たりが悪い場所や、人の往来が激しい場所には、造花や人工芝も多いのですが、その使い方も上手。道に面したそれぞれのお店や家の方々が、自分たちの前の道に責任を持って緑を彩っている印象を受けます。まちを消費するのではなく、まちの一員としてコミットする。そんな意識が緑というカタチになっているのかもしれません。(2019.6.27公開)

アムステルダムの町並み。歩道、自転車道、トラム(路面電車)と自動車道が区切られている。歩道が断然広い。

ロンドン市内のいたるところに広場があり、市民の憩いの場所となっている。歩いて楽しいまちに、広場は不可欠。

ベルリンのCheckpoint Charlie(チェックポイント・チャーリー)。セグウェイで観光する人たち。

エベネザー・ハワードが提唱した田園都市であるLetchworth Garden City(レッチワース・ガーデン・シティ)の町並み。建物の屋根や壁の色に統一感があり美しい。

Letchworth Garden Cityは、日本の高度成長期、都市郊外にニュータウンが造成される際、大いに参考にされたと聞く。成長期を終えた後のニュータウンのあり方は、これからの私たちに課せられたテーマ。

左:ロンドンの歩道に設置された緑とベンチ。ここは造花だが、町を彩る一役を担っている。 右:緑で彩られたベンチが並んでいる。奥の建物は窓から植物が吊られている。

ロンドンのCoal Drops Yard(コール・ドロップス・ヤード)からCamden Market(カムデン・マーケット)に続く運河沿いの道。

ベルリンのHackesche Hofe(ハッケシェ・ヘーフェ)。8つの中庭をもつ複合施設で、カフェやショップなどが入っている。

Hackesche Hofeの案内図。あえて迷子になりながら歩きまわる楽しさがある。

連載一覧
欧州巡記vol.0欧州から見る成熟社会のゆくえ欧州巡記vol.1歩くのが楽しくなる道づくり欧州巡記vol.2自由なママチャリ大国欧州巡記vol.3人を集めるクラフトビールの磁力欧州巡記vol.4マーケットで軽やかに開業欧州巡記vol.5人口減少時代の無人化システム欧州巡記vol.6公衆便所を人気店にリノベーション欧州巡記vol.7キャッシュレスと軽減税率の未来欧州巡記vol.8日常にあるアートと遊び心欧州巡記vol.9どこでもコワーキングオフィス欧州巡記vol.10コミュニティガーデンの可能性欧州巡記vol.11まとめと、これから

書き手 北池 智一郎

大阪生まれ、小金井在住、二児の父。コンサルティング会社等を経て32歳で独立。東京多摩地域を中心に創業支援とまちづくりを行う株式会社タウンキッチンの代表。趣味は料理で、最近ハマっているのは南インド料理と塊肉。

Letchworth Garden City(レッチワース・ガーデン・シティ)
https://www.discover-letchworth.com/

Coal Drops Yard(コール・ドロップス・ヤード)
https://www.coaldropsyard.com/

Camden Market(カムデン・マーケット)
https://www.camdenmarket.com/

Hackesche Hofe(ハッケシェ・ヘーフェ)
http://www.hackesche-hoefe.com/