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[欧州巡記 vol.10]コミュニティガーデンの可能性

ベルリンで行きたかったガーデン。町の色々なところにガーデンが広がっています。一つは、クラインガルテンと呼ばれる市民農園で、1区画が100㎡〜300㎡程度に区分けされており、各区画は柵や生垣で囲まれています。小屋や遊具を設置して、広々としたプライベートな庭を楽しむことができます。

一方、誰もが自由に出入りができ、コミュニティ形成に寄与できるガーデンを目指したコミュニティガーデン。ボックス単位で貸し出され、そこを菜園として活用されたり、ワークショップなどに使われています。空き地を不法占拠からはじまったPrinzessinagarten(プリンセスガーデン)や、Tempelhofer Feld(テンペルホーフ空港跡地)の一角にあるAllmende(アルメンデ)があります。

日本でも都市農地賃借法の制定などによって、生産緑地を農家以外に貸し出すことができるようになりました。今後、緑地が具体的にどのように運用されていくのかは、多くの人の関心テーマとなっています。利用者のみが入れるクローズドな市民農園はよく見かけますが、みんなが自由に出入りできるオープンなスタイルの農園はあまり見かけません。都市緑地の活用法の一つとして可能性があるのかもしれません。(2019.6.27公開)

Tempelhofer Feld。元は空港だった広大な敷地を市民に開放している。市民投票の結果、建物を一切建設せず、民間企業にも売却しないという結論を出した。

さすが元空港。周りに遮るものがないため、開放感に満ちている。ランニング、サイクリングを楽しむ人たちも多い。

Tempelhofer Feldの一角にあるAllmende。境界をつくらず誰でも自由に入ることができるコミュニティガーデン。クラインガルデンとは似て非なるもの。

区画を市民に貸し出す。植物を育てるなど思い思いの使い方をしている。

ドッグランも広々。奥に見えるのは元空港の建物。難民用の仮設住戸として使われていた。

左:Prinzessinagarten。モーリッツプラッツ駅を出てすぐ、交通量の多い交差点に面した空き地を、住民が主体となったコミュニティガーデンとして運用されている。 右:カゴには様々な野菜やハーブが植えられている。

平日の午前中は子どもたちの学びの場にもなっている。

ベルリン都心からほど近いプリースターヴェーグ駅前に広がるクラインガルデン。庭のない都会の集合住宅に暮らす人々の余暇に使われている。賃貸区画が並んでおり、芝生や花壇の割合など細かいルールに沿って運用されている。

クラインガルデンは200年もの歴史があり、元は住環境の改善を目的にはじまり、戦時中は農作物の栽培がされていたそう。それぞれの区画は柵で閉じられれており、Prinzessinagartenなどのコミュニティガーデンとは似て非なるもの。

連載一覧
欧州巡記vol.0欧州から見る成熟社会のゆくえ欧州巡記vol.1歩くのが楽しくなる道づくり欧州巡記vol.2自由なママチャリ大国欧州巡記vol.3人を集めるクラフトビールの磁力欧州巡記vol.4マーケットで軽やかに開業欧州巡記vol.5人口減少時代の無人化システム欧州巡記vol.6公衆便所を人気店にリノベーション欧州巡記vol.7キャッシュレスと軽減税率の未来欧州巡記vol.8日常にあるアートと遊び心欧州巡記vol.9どこでもコワーキングオフィス欧州巡記vol.10コミュニティガーデンの可能性欧州巡記vol.11まとめと、これから

書き手 北池 智一郎

大阪生まれ、小金井在住、二児の父。コンサルティング会社等を経て32歳で独立。東京多摩地域を中心に創業支援とまちづくりを行う株式会社タウンキッチンの代表。趣味は料理で、最近ハマっているのは南インド料理と塊肉。

Prinzessinagarten(プリンセスガーデン)
https://prinzessinnengarten.net/

Tempelhofer Feld(テンペルホーフ空港跡地)
https://gruen-berlin.de/tempelhofer-feld