5月16日、「これからの、家と庭」をテーマとするゼミがスタートしました。参加者は当初定員としていた20名を上回る25名。アイデアを地域で実践することに重点を置いたプログラムであるこのゼミの参加対象は、自分のアイデアをカタチにしたいという人だけではありません。具体的なアイデアはないけれどチームの一員としてサポートしたいという人も参加対象です。実際に集まった方々の参加動機は様々。今回はゼミ生が持っていた3つの参加動機を紹介します。
今回の参加者の中で最も多かったのが、この動機。日々地域で生活を送る中で、それぞれの立場で感じる課題や、こうなるといいなという想い。そんな課題の解決、理想の実現のために、ゼミで一歩目を踏み出してみようというものです。子育て中に感じた地域とのつながりの薄さ、介護や教育をもっと地域全体で後押しできるといいのではないかという想い、公民館や児童館など公共的な場所が歩いて行ける距離に増えてほしいという希望など、その着眼は様々。そんな想いを、地域の空き家活用や、空き空間を活かした庭づくりなどを通して実現させるイメージを描きます。
参加者の中には、ご自身が空き家の所有者であったり、中古住宅を購入しDIYしながら理想の家づくりに挑戦中の方もいます。自身の持つ場所を、プライベートな空間として終わらせるのではなく、地域に開けた場にしたい。そんな想いの中で、家や庭の活かし方についてアイデアを持つ仲間と巡り合いたいとゼミに参加しています。実践のフィールドとなり得る空間を持つ参加者と、その空間の使い方にアイデアを膨らませる参加者が出会うことでどんな場が生まれるのか期待が膨らみます。
郊外における家や庭のあり方を考える今回のゼミ。建築や造園を生業とされていたり、工務店に勤務されている方など家や庭のプロが参加していることも特徴です。自身の持つ専門性を、地域の課題解決や地域を楽しく変化させるプロジェクトに活かしたいというのが動機のようです。また、家づくりや庭づくりのプロだけではなく、普段番組制作やデザインのお仕事をされている方など多様なスキルを持つ参加者が、自身の職能活かしてゼミに関わりたいと参加しています。家の使い方、庭の使い方を考え、実践する上で、彼らの視点やスキルがプロジェクトの質を上げ、理想近づいていくことを助けるのではないでしょうか。
ゼミは、9月まで約4か月間。地域で暮らす当事者の想いやアイデアに、それを応援しようと考える人が持つ資源やスキルが合わさることで、どのような実践が生まれるのかとても楽しみです。予期せぬ感染症の拡大によって家で過ごす時間が増えた今、改めて家や庭のあり方見直そうとするゼミ生の取り組みが、これからの郊外の暮らしをより前向きに変化させるものになるかもしれないなと感じさせられる初回のゼミでした。