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7つのアイデアの芽 ゼミ#4初日レポート

5月22日、今回で4回目となる「まちのインキュベーションゼミ」がスタートしました。当初の定員を大きく上回り、過去最多の50名以上のお申込がありました。今回のテーマは、「郊外につくる、新しいシゴト」。コロナ禍でリモートワークやサテライトオフィス、ワーケーションなど、新しいはたらくかたちが生まれる中、ゼミ生たちもそれぞれが思い描くシゴトづくりへ一歩踏み出します。集まったゼミ生たちは7つのチームに編成。これから4ヶ月間チームをまとめ、事業アイデアを具現化させていく7人のリーダーたちには3つのキーワードが。一人ひとりのアイデアの芽にはどんな動機や想いがあるのか紹介していきます。
なお、本ゼミは新型コロナウイルス感染予防対策を万全に行う中、開催いたしました。

積み重ねてきた経験を、今しごとへ

「これまで培ってきた経験をしごとにしたい」と参加した神村さんのアイデアは、子どもが楽しみながら社会の仕組みが学べる“キッザニア”の地域版づくり。自身が小中学生のとき、地域の人たちに様々な体験をする機会を与えてもらった恩返しがしたいと、学生時代から子ども向けのイベントを企画運営してきました。しかし、コロナの影響もあり事業化への一歩はなかなか踏み出せず…。今回のゼミで、アイデアベースからどう事業にするのかを学び、自分と異なる知識やスキルを持つメンバーたちから新しいアイデアを吸収したいと意気込みます。

神村さんのテーマは、エンタメとエデュケーションを掛け合わせた“エデュテインメント”。

「プロ野球選手の大谷翔平に憧れています。」冒頭の自己紹介がとても印象的だった鈴木さん。子どもの頃、いつも習い事の前にジェラートを食べていて大好物になったことから、ジェラート屋としての起業を決断したそう。週末にジェラート屋さんで修行をしたり、自らお店をひらくイベントを企画したり、数多くの経験を積んできました。愛着のある小金井で、地域に根ざしたお店を地域に暮らす人たちと一緒につくりたい。大谷選手の二刀流のように、本業とジェラート屋、どちらも主としたはたらき方を実現させていきます。

ジェラート屋のコンセプトは、潔いの“isagi”。生産者や消費者、素材に潔い姿勢で、衛生的な環境で提供するという想いを込めています。

地元に目を向け、同じまちに暮らす人とつくり上げる

日常の延長線にあるような写真館、その名も「かたりば写真館」をつくりたいと話した奥竹さん。結婚後ロシアのモスクワで子育てをしながら暮らし、緑豊かな環境と子どもが公園で戯れている景色が似ているという理由から、帰国後小金井に移住してきたそう。奥竹さんのアイデアは、ハレの日だけに訪れる写真館ではなく、誕生日やポートレート、遺影など、日常的に訪れることができる写真館をつくること。コロナ禍で写真館の存在が薄れつつある今、新しい写真館のかたちを模索していきます。

庭つきの空き家で、ペットと撮影できるスポットを作ったり、ギャラリーを併設したいと、具体的なイメージを絵で表現してくださいました。

実家を改装した民泊を運営している萩原さんのアイデアは、“暮らす人と旅する人が交わる”ゲストハウス。現在運営している民泊は1組のみ泊まれる施設であること、またコロナをきっかけに都内から泊まりに来る人が増えたことから、地域に暮らす人と宿泊する人が交流できる空間をつくりたいと話しました。多摩地域には宿泊施設が少ないという現状から、この地域の魅力を発信する場所にもなりそうです。ただ、民泊を運営するという経験はあるものの、一からゲストハウスをつくるのはビックプロジェクト。ゼミを通じて、様々な分野で活動する人たちと一緒に具現化に取り組んでいきます。

近所に知り合いがほとんどいなくても、寄ってみると誰かがいるような場所があったらいいなという萩原さんの想いも、アイデアの根本にあるそう。

しごと柄、まちなみや建物に関心を持っていた矢澤さんは、コロナ禍でさらに地元に目を向けるようになったと話しました。しかし、地元を歩いて少し休憩というとき、カフェなどの一息つける場所は混雑していて行き場のなさを感じたそう。自宅以外の場所へ行くと、景色や人との交流で気分転換ができる。遠出をしなくても地元でしごとと遊びのどちらも楽しめる場所を整えたいと、“地元ワーケーション”“地元キャンプ”というキャッチーなキーワードをもとに新しい拠点づくりに取り組みます。

空き家や公園など、地域の資源を活かしながら拠点をつくっていきたいと話す矢澤さん。

全体では計4回集まるゼミ。初日はゼミの全体像を把握してもらい、アイデアを持ち寄った人たちの発表を経て、チーム作りを行いました。

自身の学びをコロナ時代に活かす

地場産の地元野菜と日本の発酵食品の販売、それらを使ったワークショップの企画をしたいと語った神山さん。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、日々の忙しさに加えて自分で食事を用意するという手間が増えたことで、食事が疎かになってしまったり、在宅ワークで体調を崩してしまったり。そんな人たちに、手軽に健康的な食事を取り入れてもらいたいと着想したアイデアです。これまで食の安全性について関心を持ち、自身の病気をきっかけに食生活を見直した経験から、自分が学んだことを人に伝えることで、コロナ禍で疲弊を感じている人たちの役に立ちたいという想いを胸に取り組んでいきます。

地元の食文化を活性化させ、農家との連携を図るという可能性も秘めています。

「“まちの保健室”をひらきたい」と発表した小池さんは、自身の子どもが体調不良を繰り返し、病院に行っても完治しない状況にあったとき、インドの伝統医学に出会ったのだそうです。その医学の考え方を生活習慣や食事に取り入れてみると、医者いらずの生活に。コロナ禍で外出が自粛され、自分で自分をケアすることが強いられる中、ちょっとした変化を相談できる相手がいれば、病気を未然に防ぐこともできる。そんな自身の経験を活かして、セラピーを受けたり、気軽に相談ができる拠点づくりを目指します。

身体的・精神的・社会的に良好な状態を指す“Wellbeing(ウェルビーイング)”。地域からWellbeingを推進したいと話しました。

昨年からのコロナ禍で、自宅で過ごす時間が増え、人と接触する機会が減ったことで、自分と対話する時間が増えたのではないでしょうか。今回集ったゼミ生たちも、そんな対話の中でそれぞれのはたらき方を見つめ直し、「こんなはたらき方をしてみたかった」「こんなしごとづくりもできるんじゃないか」と構想を練っていたのだと思います。そして次のフェーズとして、ひとりでは不安なことを誰かと実践する機会や、誰かのアイデアを吸収する機会を模索していたのではと感じます。様々な制限がある中ですが、自分のしごとや自分のまちを、もっと自由に、もっと面白くしようと踏み出したゼミ生たちの4ヶ月が楽しみです。

これからは各チームに分かれての活動が始まります。メンバー一人ひとりの得意や好きを掛け合わせて、リーダーのアイデアの芽を開かせます。

オリエンテーションの様子を30秒でまとめた動画がこちら。ぜひご覧ください!