お上りさんが1日乗車券でゆく

2017.06.22
お上りさんが1日乗車券でゆく

編集室の國廣です。東京にいると地方出身の方によく会いますが、私自身も4年前に関西から上京して、23区を出て西の方、多摩地域ではたらきはじめました。関西では“大阪ではたらき、神戸に暮らし、京都で遊ぶ”なんて言葉があるのですが、関東だとどうなのでしょうか。

多摩地域の方から度々聞く表現で面白いのは、都心に行くことを「東京行ってくる」と言うこと。中央線で中野を超えて、高層ビルが近づいて来ると「ああ東京だ」と思う感覚。それくらい建造物的にはパキッっと境界線を感じる郊外と都心の間で、私のスタンダードは“郊外ではたらいて暮らして、都心で遊ぶ”です。

このところブームなのは、東京メトロの1日乗車券。600円で24時間乗れるので、土曜は朝ゆっくりしてお昼くらいから乗り始め、次の日の日曜は早朝からお昼までで帰ってくる、というのがパターンです。スマホ片手じゃなくてミニ路線図片手。迷ったら人に聞けばいい。コミュニケーションです。アナログ万歳。

上京組あるあるだと思うのですが、東京に来たことなんてそんなになくても、テレビや雑誌を見て地名だけはやたら知っているんですよね。1日乗車券は一度買うと交通費を気にしなくてよくなる自由の翼なので、聞いたことのある駅名を路線図で探しては降りてみるわけですが、そんな中でも、このまちこういう地理関係だったのか!と感動を覚えた場所No.1は、日比谷線の左端。六本木、恵比寿、中目黒とお上りさん大好物のビッグネームが並んでいて、「間に挟まれた広尾はそりゃ高級住宅街だ!」と妙な納得をしたことを覚えています。週末はいそいそと都心に出かける、まさにお上りさんが東京暮らし4年目の今も継続中。まちがありすぎです、東京。

ところで、色んな駅に行っているとつい引っ越したくなるのですが、入学にしても就職にしても、家探しって怒涛ですよね。ホテルに泊まってじっくり探すわけにもいかないし、ネットで下調べした物件は大抵ないしで、その先何年も暮らすだろうまちと家を、2、3日とかでエイヤと決める。あれ、どうにかならないかな。家探しする間専用のゲストハウスとか、だめかな。(國廣)

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