自分の中でやりたいイベントのイメージが少しずつ沸いてきて、賛同してくれる仲間もできた。少しずつ求心力を増してきたあなたのイベント構想。そろそろ、どんな場所で開催したいのかも考えていきましょう。近くの公園? お気に入りのギャラリーやカフェ? はたまた大きな展示会場? 会場によって千差万別の特徴と条件が突きつけられた時、どんなことに気をつければいいのでしょうか。イベントづくり論3回目は、会場を探すときに少なくとも押さえておきたい5つの項目をご紹介します。
【1】通すべき筋でイベント利用の交渉ができているか
イベントとしての利用を広く謳っている場所であれば、メールや電話での問い合わせから交渉をスタートできるでしょう。相手もしごとですので、良くも悪くもビジネスライクにきちんと対応してくれるはずです。しかし、誰が所有しているかわからないような場所を偶然見つけて「ここでイベントをやりたい!」と一目惚れしてしまうこともきっとあることでしょう。そんな時には、その地の所有者や近隣の地権者・商工会など、筋を通すべき相手をしっかりと見極めてから交渉することを忘れないでください。仁義を欠いてしまってはイベントはできないのです。
【2】その場所は天候の影響をどの程度受けますか?
開催できるか否かすらも危ぶまれるほど、開催日の直前まで全てのイベントに対して等しく悩ませてくる問題、それは天候です。代表的なことはもちろん雨。屋根つきの場所が最低でもどの程度必要なのか、イメージを膨らませることはとても大切です。また、天候というのはなにも雨だけではありません。実は風の方が厄介だったりもします。晴れているからと言って安心していたら、急な突風でテントが吹き飛ばされる…。そんな光景を何度も目にしてきました。みなさんは、どうか安全なイベントづくりを心がけてくださいね。
【3】アクセス手段と規模感や内容は釣り合っていますか?
内容が充実していて規模感が大きなものであれば、たとえアクセスが悪い場所であったとしても、目がけて来場してくれるお客様はいるかもしれません。けれど、それはほんの一握り。イベントもスタートアップのタイミングでは、できる限りアクセス手段の良い場所を選びましょう。また、公共交通機関でのアクセス手段だけでなく、備え付けの駐車場の有無と、それが無かった場合は少なくとも近隣の最も低価格のコインパーキングの場所だけは把握しておくことはイベント主催者として心構えとしてとても大切なことです。お客様だけでなく多くの出店者もまた、車両を利用して搬入してきます。
【4】電源、厨房設備、お手洗い、備品はどの程度充実してますか?
会場で流す音楽や、物販のレジスター。飲食店の調理器具など、電源設備は必須事項となることでしょう。さらに、飲食店の出店の際には“保健所への申請”という、大きな関門も待っています。そんな時に会場に厨房設備があることは大きなメリットです。また、机や椅子など大量に必要になってくるであろう備品は会場にあるのか、お手洗いは常設されているのか、無ければレンタル業者に手配をしなくてはいけません。そして、こういった事務手続きは、地味なようでものすごい時間と労力、そして予算を要します。インフラが整っていればいるほど、ありがたいことはありません。
さて、これまで4つのポイントを述べてまいりましたが、次が最後で一番大切な項目です。
【5】その場所をあなたは気に入りましたか?
最終的にあなたはその場所で自身の情熱を注いでイベントをやりたいと思えましたか? ちゃぶ台をひっくり返してしまうようですが、どんなに条件が良かったとしても、あなたのモチベーションが高まることに勝る条件はありません。「会場費は少し高いけどこのロケーションでやりたい!」、「屋根がないけどテントをたくさん用意しよう!」などなど、様々な思考を重ねていくほどに、あなたはイベント主催者としてめきめきと成長していけるはずです。イベント開催に向けた行動はまだまだはじまったばかり。どんなことがあってもとにかく前を向いて、イベント開催への歩みを進めてくださいね。(加藤)