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食と街のゼミ 25人の挑戦!

12月15日、「食べる」と「まち」のいい関係をテーマに、「まちのインキュベーションゼミ」がスタートしました。集まった参加者は25名。育休明けの新しいしごとの仕方を模索しているというママさん。ずっと興味があった社会貢献、中でも皆に共通する「食」にデザインで関わりたいと参加したデザイナー。実家のこんにゃく・しらたき製造卸業の継業を考えており、新しいアイデア、チャンスを見つけたいという方。実に多様な動機を持つ参加者が集まりました。ここから3月中旬まで「食べる」と「まち」のいい関係を育むプロジェクトの企画、実践にチームを組んでチャレンジします。

まちのインキュベーションゼミ初日。プログラムの背景や、アイデアを実践する上でのポイントをファシリテーターと参加者の間で共有した後、早速参加者のプレゼンテーションへ。自身のアイデアをカタチにしたいと参加した方々が、アイデアをキーワードとともに発表します。発表する側も聞く側も真剣。全員のプレゼンは約2時間にも及びましたがあっという間に時間が過ぎていく感覚がありました。
プレゼンを終えるといよいよチーム分け。参加者全員が自分以外でいいなと思ったアイデアに投票します。投票の結果リーダーとなったのは、岡本さん、塩崎さん、大野さん、白石さん、江波戸さん、清水さんの6名。ここからは彼らの人となりやアイデアを紹介します。

岡本さんは、今年から独立し、小金井市で植木屋さんを始めました。庭木の剪定などで出る処分するしかない木の枝をもったいなぁ、何かに使えないかなぁと感じていた岡本さん。また、小金井に引っ越してきてから、ファミリーでなくても一人でふらっと入れるお店やイベントがまちにあればいいなという想いも持ち始めていました。そんな二つのキーワードを組み合わせた食のある場づくりをこのプログラムを通して実践します。

早速チームのメンバーと議論を深める岡本さん。

塩崎さんは会社員として全国を飛び回る日々を送っています。移動時間がもったいないと感じ、住んでいる場所の近くでしごとをつくりたいと感じていました。と、同時にお子さんの通う小学校で生徒数がどんどん増えている現状や、その一方で小学校の近くの駄菓子屋さんが閉店してしまったことが気になっていたとのこと。これまで親が子供にお金の使い方を勉強させる場所としても機能していた駄菓子屋さんを地域のお父さん、お母さんたちで復活させられないかとたくらみます。

駄菓子屋以外にも複数アイデアを持って臨んでいた塩崎さん。積極的にチームの議論をリードします。

大野さんはこれまでオーガニック食品のバイヤーとしておしごとをされていましたが、自分が本当にいいと思える食材を届けられる場所を自分で作りたいと独立を決意。井之頭公園の近くにカフェを開業すべく現在準備中で、このゼミで仲間を集めたいと参加を決意されました。カフェには食材だけではなく、地域の文化を感じられる本やアートに触れられるギャラリーも併設したいとイメージを膨らませています。

大野さんのキーワードは「場・文化・食」。これらのキーワードがチームの中でどのようなアイデアになるのか楽しみです。

白石さんは前職で地域の素材を活かした発信やブランディングを行うお仕事をされていました。飲食に関わるおしごとも経験された中で、農家さんが抱えているライフストックというキーワードに興味を持ったそう。ライフストックとは、形が悪かったり傷がついたりして出荷できない農家さんが抱えている農産物のこと。ライフストックのみを使った飲食店を通して「食」と「まち」のいい関係を考えていける場所をつくることを目指します。

白石さんは6人のリーダーの中で最年少ですが、まちづくりや飲食業での経験を活かしながらチームを牽引します。

江波戸さんはゲームクリエイターです。大手ゲーム会社で皆さんご存知のゲームをつくっていたそう。現在は独立し、住まいの近くでしごとをしています。江波戸さんのアイデアのキーワードは「おもちゃ箱」。ゲームやドローン、レゴなどたくさんのおもちゃを子どもたちがシェアして遊べるカフェをつくることを目指します。「子どもが将来ゲームをつくりたいと思ったとき、憧れになる大人を見つけにくい。プロ野球選手になりたいと思ったときとは違う」と江波戸さん。「おもちゃ箱」で昼間子供が壁に描いた落書きを、夜の間ゲームクリエイターたちが本気でアレンジして遊ぶといった子どもの夢が広がるイメージまで思い描いています。

江波戸さんのキーワードは「おもちゃ箱」。「こども」「クリエイター」という言葉がどんな化学変化を起こすのか気になります。

清水さんは「まちのインキュベーションゼミ」の前身である「コウカシタスクール」の参加者でもあります。今回はグルテンフリーのカフェをつくることを目指して「まちのインキュベーションゼミ」に参加。このアイデアには清水さんが大人になってからアレルギーを発症したことから来ています。アレルギーで米、小麦、そばが食べられなくなってしまった清水さんは同じような境遇の人もそうでない人も楽しめるグルテンフリーのカフェをつくりたいと決意。大量に廃棄されるじゃがいもが地域課題になっていると聞いたこともアイデアを膨らませるきっかけになっているそうです。

清水さんは6人のリーダーの中で唯一の女性。グルテンフリーというキーワードに、これまで取り組んできた地域活動の経験もプラスしながらプロジェクトをつくります。

6つのアイデアの周りにはそれぞれチームメイトが集まりました。チーム分けをした後、早速動き始めるためにそれぞれのチームでミーティングがスタート。何かが始まりそうな期待感、高揚感が会場を包んでいました。
まだチーム分けが終わっただけ、ここからが本番。実践までやり遂げることがまちのインキュベーションゼミの大切なポイントです。とはいえ、まずはこれだけたくさんの人が、自分たちの暮らすまちを自分たちの手で楽しくしようとアイデアを持ち寄ったり、アイデアをサポートしたいと集まったりする光景に大変な価値を感じ、こんな素敵なまちに住んでいたのかと気づかされる1日だったことは間違いありません。

このゼミからまちをさらに楽しく、素敵に変えていくアイデアが育っていくことに乞うご期待です!