リンジンたちの名言2023 -編集後記-

2023.12.28
リンジンたちの名言2023 -編集後記-

2023年最後のリンジン記事。コロナが5類に移行し、イベントが続々と復活するなど、にぎわいが戻ってきた2023年。みなさまは、どんな1年を過ごしましたか? 毎年恒例のリンジン名言集。特に印象に残ったリンジンの一言を編集部がご紹介します。

「収益をあげられる力を持っていなきゃだめなんです」

農業女子、東京で農園を開く 鈴木茜さん

武蔵野市と小金井市で「こびと農園」をスタートした鈴木茜さん。摂食障害、食物アレルギーなど、食について悩んできたからこそ、食に悩む人の力になれるのではないかと、農業を志すようになりました。企業や農家で働く中で、農業で利益を出す厳しさを実感。自分が大好きな野菜作りを続けるためにも、稼ぎにくい農業を事業にしていくことを決意します。

 

「経済力を手放してしまうママが一人でも減るきっかけになってくれたらと」

ママが稲城の梨で起業するまで  山本友貴さん

ドライフルーツの製造・販売を手がけるココロコ株式会社を設立した、山本友貴さん。子育てをきっかけに長年勤めた金融業界を退職し、稲城の廃棄梨との出会いから知人と一緒に会社をスタート。地域の子育て中のママを雇用して製造を行っていた背景には強い思いがありました。「女性は、子どもが産まれてママになった瞬間、スキルが見えなくなるもどかしさがあると感じています」という山本さんは、これからも働く母の場所づくりを描きます。

 

「目の前にいる“その人”を知ることから、いろんな人に課題を身近に感じてもらいたい」

空き家と孤独を埋める革新者 甲斐隆之さん

地域の空き家を借り上げ、DV被害者や生活困窮者などを保護するシェルターやシェアハウスにリノベーションし社会課題の解決に挑む、Renovate Japanの甲斐さん。「地域に住む人がペンキ塗り面白そうと空き家の改修に参加したら、隣で作業する人が生きづらさを抱えていることに気づくこともある」と言います。地域を巻き込み、目の前にいる人の課題を見つめながら、誰かを苦しめる構造を変えようと新しい仕組みを生み出しています。

 

「気に入ってるんです。この暮らしを」

団地に住み営む、染色作家の夫婦 松永武さん、高井知絵さん

染色ユニット「kata kata」として活動する松永武さんと高井知絵さんご夫妻。調布市にある神代団地商店街の一角に、理想の店舗併用住宅を見つけ、住みながらアトリエ兼ショップを営んでいます。「暮らす人たちとゆるく関わりつつ、出入り自由なアトリエを、みんなの交流の媒介としていきたいですね」という二人。制作と日常が混じり合う暮らしを楽しみ、ちょうどいい働き方を実現しています。

 

「やってる人が1人いれば、誰にでもできると思ってもらえるから」

できない2人が出版社をつくる 屋良朝哉さん

本や映画、自分たちの支えになっているカルチャーに恩返ししようと、“ふたり出版社”を立ち上げた「点滅社」の屋良朝哉さんと友人の小室ユウヤさん。出版業界も会社員も未経験。精神薬を服用しながら暮らしたニート時代も、今の苦悩や迷いも、すべてさらけ出しながら本づくりをはじめました。彼らが自分らしいままで生きていこうとする姿、自分たちと似た人たちに思いを届けようとする姿に、「応援したい」「自分もがんばろう」と強い気持ちが湧き上がりました。

 

「美味しいと言ってもらえることが楽しい!好き!というのを実感したんです」

第二の人生は、自宅で焼き菓子店 坂入マキさん

学生時代からお菓子づくりが好きだった坂入マキさんは、シェアキッチンでの開業を経て、自宅1階で「MAKIMONO」をオープンしました。お菓子にまつわる仕事をはじめたのは、CAとして国内や海外を飛び回り、40代を迎え、子どもから手が離れつつある頃だったといいます。一段ずつステップを登り、理想の仕事と働く場所をつくってきた坂入さんの人生から、好きなことをカタチにしていく喜びを感じます。

 

「誰が欠けても開店までこぎつけませんでした」

人生の質を高めるコーヒー焙煎士 益岡悠介さん

国立でコーヒー専門店「THE MIDFLOW coffee roast」を営む益岡悠介さん。司法試験での挫折、会社中心の生活の末、自信が持てる40代を迎えたいと出かけた海外旅行で、コーヒー文化の魅力を知ります。準備期間わずか8ヶ月での開業。不安が募る瞬間もありながら、最高の形で開業を迎えられた背景には、自分が大切にしたいことを定め、率直に丁寧にコミュニケーションを重ねる益岡さんの方法論があります。一見遠回りでも、妥協しない歩みが最期には近道になるのだと実感します。

 

「ということは、そういう物を探している人は、いるんじゃないかなとも思ったんです」

養生ビギナーズ軽やかに羽ばたく 鳥羽由梨子さん

“養生”という考え方を軸としたブランド「RELIEFWEAR」で、さまざまなプロダクトを生み出す鳥羽由梨子さんと夫の義和さん。起業のきっかけは、由梨子さんが手術後でも着心地の良い服を探したこと。ピンとくるものがなかったことから、「ほかにも探している人がいるはずだ」と外に目を向けました。自分の身に困りごとが起こったら、多くの場合、同じように困っている人は世の中にたくさん。そこには、自分が事業をはじめる理由と一番の原動力が隠れています。

 

あなたの気になるリンジンの一言はありましたか?新しいチャレンジを続けるリンジンたちの記事が、これからの働き方・暮らし方を考えるヒントになるかもしれません。ぜひゆっくり記事を読みながら、どうぞよいお年をお迎えください。(編集部一同)

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