まとめと、これから

2019.06.27
まとめと、これから

10日間の欧州の旅でたくさんのヒントを得ることが出来ました。ただ、見た目を真似することはできても、そこには人々の暮らしがあり、その暮らしの根底にある文化や歴史といったものまでを真似することはできません。海外の事例を参考にしながらも、日本オリジナルのまちをどう育んでいくのか、というところにたどり着きそうです。

そんな中で最後に、自分なりに実現したいことを3つ書き留めておこうと思います。

1つ目は「ビール醸造所を作りたい」。
ビールというものが人と人をつなぐ触媒として秀逸であると実感した旅でした。日本でも地ビールブームが起き、最近では大手ビールメーカーも商品開発をしていますが、ビールそのものが大事というよりは、昼間から屋外でビールを片手に仲間と語り合う、そんな風景は羨ましいものがあります。免許や酒税などいくつかのハードルはありますが、楽しい町づくりにおける必須アイテムの一つのように感じています。

2つ目は、「自転車屋を作りたい」。
日本は自動車を中心にした国づくりをしてきたことを再確認させられた旅でした。車と人との共存。それは、高度成長期から成熟社会に突入し、高齢化社会が進む私たちの暮らし方に直結するテーマのような気がします。”MaaS”が昨今のテーマとなっていますが“移動”というものに真摯に向き合う時期なのだと感じます。その一つの可能性としての自転車。もっと自由な自転車があってもいいのではないでしょうか。

最後は、「コミュニティガーデンを作りたい」。
空き家問題が叫ばれていますが、人口が減少する一方で、新築の戸建てやマンションが作り続けられています。どう考えても家が余っていくのは必然。利活用を考えようにも限界があると感じています。そこで、使われない家を無理やり使おうとするのではなく、建造物にとらわれず、空き地に着目するのも一つだと感じました。周辺住民が空き地を所有するのではなくシェアし、自分たちの暮らしを豊かにするための使い方の一つとして、庭園や菜園をつくる。固定資産税などの壁はありますが、“スポンジ化”していく町に、みんなで維持メンテナンスをシェアしながら緑の空間を埋め込んでいければと思います。

みなさんの興味関心のアンテナに引っかかった部分はありましたでしょうか。旅から1ヶ月以上が経ち、妄想を妄想だけに終わらせぬよう、実現に向けてリサーチを始めつつあります。数カ月後か、あるいは数年後か、「ああ、あのときのあれね」と皆さんに思っていただけるよう、ぜひカタチにしていきたいと思います。(北池)(2019.6.27公開)

書き手

北池 智一郎

大阪生まれ、小金井在住、二児の父。コンサルティング会社等を経て32歳で独立。東京多摩地域を中心に創業支援とまちづくりを行う株式会社タウンキッチンの代表。趣味は料理で、最近ハマっているのは南インド料理と塊肉。

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