ロンドン・ベルリン・アムステルダム
リンジン編集長の北池が、ヨーロッパへ一人旅へ。“上り坂から下り坂の社会”そんなことを意識し始めてから、日本よりも早く成熟期を迎えているであろうヨーロッパへの興味関心が高まり、ロンドン、アムステルダム、ベルリンの3都市を訪問しました。まちづくりに携わる端くれとして、自分たちが心地よく楽しい暮らしをどうすれば実現できるのか、そのヒントを得るための今回の旅。現地で感じたことを、写真とともにお伝えします。
連載一覧
vol.1 歩くのが楽しくなる道づくり
vol.2 自由なママチャリ大国
vol.3 人を集めるクラフトビールの磁力
vol.4 マーケットで軽やかに開業
vol.5 人口減少時代の無人化システム
vol.6 公衆便所を人気店にリノベーション
vol.7 キャッシュレスと軽減税率の未来
vol.8 日常にあるアートと遊び心
vol.9 どこでもコワーキングオフィス
vol.10 コミュニティガーデンの可能性
vol.11 まとめと、これから
10日間の欧州の旅でたくさんのヒントを得ることが出来ました。海外の事例を参考にしながらも、日本オリジナルのまちをどう育んでいくのか。そんな中で最後に、自分なりに実現したいことを3つ書き留めておこうと思います。
ベルリンで行きたかったガーデン。町の色々なところにガーデンが広がっています。一つは、クラインガルテンと呼ばれる市民農園。もう一つは、誰もが自由に出入りができ、コミュニティ形成に寄与できるガーデンを目指したコミュニティガーデンです。
駅前にブランコ、ホテルにもブランコ、空港の待合ゲートに滑り台、駅構内にピアノ、ショッピングセンターにチェスとピンポン。思わず二度見してしまう意外な風景がたくさんありました。
日本でもキャッシュレス化の波が押し寄せていますが、ヨーロッパのそれは想像以上でした。さらに、消費増税と同時に導入される予定の軽減税率は、ヨーロッパではすでに当たり前の制度です。ビジネスのスタイルを大きく変える可能性を秘めています。
オランダでは“ダッチデザイン”という言葉があり、合理化されたデザインを指すそうです。私はデザインのことは詳しくないのですが、少なくとも合理的なシステムという点で感心することが多くありました。
ロンドンには道路、隙間、駅前広場、高架下、空き地、あらゆるところにマーケットがありました。日本では“マルシェ”という呼称で月1回から年数回の非日常的なイベント形態が流行っていますが、こちらのマーケットは日常的に開かれるのが一般的であるようです。