[欧州巡記 vol.10]コミュニティガーデンの可能性
ベルリンで行きたかったガーデン。町の色々なところにガーデンが広がっています。一つは、クラインガルテンと呼ばれる市民農園で、1区画が100㎡〜300㎡程度に区分けされており、各区画は柵や生垣で囲まれています。小屋や遊具を設置して、広々としたプライベートな庭を楽しむことができます。
一方、誰もが自由に出入りができ、コミュニティ形成に寄与できるガーデンを目指したコミュニティガーデン。ボックス単位で貸し出され、そこを菜園として活用されたり、ワークショップなどに使われています。空き地を不法占拠からはじまったPrinzessinagarten(プリンセスガーデン)や、Tempelhofer Feld(テンペルホーフ空港跡地)の一角にあるAllmende(アルメンデ)があります。
日本でも都市農地賃借法の制定などによって、生産緑地を農家以外に貸し出すことができるようになりました。今後、緑地が具体的にどのように運用されていくのかは、多くの人の関心テーマとなっています。利用者のみが入れるクローズドな市民農園はよく見かけますが、みんなが自由に出入りできるオープンなスタイルの農園はあまり見かけません。都市緑地の活用法の一つとして可能性があるのかもしれません。(2019.6.27公開)









連載一覧
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書き手 北池 智一郎
大阪生まれ、小金井在住、二児の父。コンサルティング会社等を経て32歳で独立。東京多摩地域を中心に創業支援とまちづくりを行う株式会社タウンキッチンの代表。趣味は料理で、最近ハマっているのは南インド料理と塊肉。
Prinzessinagarten(プリンセスガーデン)
https://prinzessinnengarten.net/
Tempelhofer Feld(テンペルホーフ空港跡地)
https://gruen-berlin.de/tempelhofer-feld