キャッシュレスと軽減税率の未来

2019.06.27

日本でもキャッシュレス化の波が押し寄せていますが、ヨーロッパのそれは想像以上でした。
屋台が並ぶロンドンのマーケットでは、すべての店が当たり前のようにキャッシュレス対応が可能です。アムステルダムの人気パンケーキ店では、現金NGでカード決済しかできません。一番驚いたのは、公衆トイレ。日本と違ってヨーロッパは有料なのが通常ですが、ロンドンで入った公衆トイレ入場料もカード決済が可能なのは驚きでした。カードを差し込んで、4桁の暗証番号でゲートが開きます。後日、クレジットカード明細になんと書かれているのか楽しみです。

消費増税と同時に導入される予定の軽減税率。ヨーロッパではすでに当たり前の制度です。訪問した各国の消費税はイギリス20％、ドイツ19％、オランダ21％で、外食はとにかく高いのですが、一方、生活必需品はイギリス0％、ドイツ7％、オランダ6％で、スーパーの野菜や肉は総じて安いです。また、カフェに陳列された商品には２つの料金が書かれており、店内と持ち帰りをレジで聞かれます。この風景はもうすぐ日本でも当たり前になってくるのでしょうか。

同じものを買う場合でも、店内の椅子に座れば20%前後もの税金がかかり、店の外のベンチに腰を掛ければ少額で済む。軽減税率という仕組みは、ビジネスのスタイルを大きく変える可能性を秘めています。そして、ビジネススタイルの変化は、道沿いのベンチや広場のニーズへとつながり、人々の暮らし方をも変えていくのかもしれません。（2019.6.27公開）