ゴボ夫 リンジン先生、こんにちはー。
リンジン先生 ゴボ夫くん、こんにちは。今日はどんな困りごとだい?
ゴボ夫 実は、四国にいる母が、家で足を滑らせて骨折しちゃったんだ・父は8年前に他界してるから、高齢の一人暮らしがどんどん心配になってきて。母は東京より地元が気楽みたいで、グループホームに引っ越すことになりそうなんだ。
リンジン先生 それは心配だね。新しい生活が楽しくなるといいね。
ゴボ夫 ありがとう。でもそれで、実家に誰もいない状態になっちゃいそうなんだ。
リンジン先生 そっか。ゴボ夫くんは兄弟がいたんだっけ。
ゴボ夫 ううん、一人。だから、実家を空いたままにしていいものかどうか。東京での今の仕事を辞めて引っ越すこともできないし、近くに頼れる親戚もいないんだ。どうしたらいいかわからなくて…。おしえて、リンジン先生!
リンジン先生 なるほど。それは今まさに社会問題になっている、“空き家”になってしまいそうだね。
ゴボ夫 空き家ってそんなに大変なことになってるんだ。
リンジン先生 そう。たとえば、だれも住まなくなると、換気ができず、特に木造住宅は色んな所が傷んでくる。雨漏りがはじまったり、床が抜けたり、ネズミが巣をつくったり。
ゴボ夫 それはまずそう。
リンジン先生 そして、そのままにしておくと、行政に「特定空き家」に指定されてしまうかもしれないよ。
ゴボ夫 え、「特定空き家」ってなに?
リンジン先生 数年前に「空家等対策特別措置法」という法律が施行されて、問題のある空き家を、行政が強制的に解体することができるようになったんだ。
ゴボ夫 そんなあ・・・。思い出がつまった家を勝手に壊されちゃうの?
リンジン先生 もちろん事前に通知が来るので、知らないうちに壊されちゃうことはないけど、それでも、放置されたままだと解体されちゃう。そして、もちろんそれにかかったお金は請求されてしまう。
ゴボ夫 そっか。でも近所迷惑になるのなら、たしかに仕方がないかもなあ。
リンジン先生 うん。解体されるだけじゃなく、固定資産税という税金が最大6倍になってしまうこともあるし、やっぱり、空き家にしておくのは良くないよね。
ゴボ夫 それは大変だ…。でも僕みたいに、地方に実家のある人って多そう。みんなどうしてるんだろう。
リンジン先生 そうだね。結局、住まなくなった家っていうのは、売るか、貸すか、壊すか、しかないからね。もし、ゴボ夫くんがしばらくその家に住む予定がないのなら、誰かに売ったり、貸したりするのが一つだね。
ゴボ夫 貸すなら、副収入にもなりそうだし、もし将来、僕が実家に帰ることになったときにいいかも。
リンジン先生 うん。でも人に貸すためには、せめて人が住めるようにするためにリフォームをしたりしないといけないから、お金はかかってしまうのが難点だね。
ゴボ夫 なるほど。リフォームって結構お金かかりそう。今はそんなお金の余裕ないなあ。
リンジン先生 それに、リフォームしたからといって、誰も借りてくれないかもしれないしね。
ゴボ夫 そうだよね…。じゃあ、実家がなくなるのは寂しいけど、売ってしまうのも手かなあ。
リンジン先生 たしかに売却も一つだね。だけど、あまり人気のない農村地帯とかだと、ほとんど金額がつかないことも多いんだ。
ゴボ夫 ええええ、もうどうしたらいいんだ!結局、どうしたらいいのかわかんないよ。
リンジン先生 そうだよね。簡単に売ったり貸したりすることが難しいからこそ、日本全体で空き家が社会問題になってるんだと思う。でも、慌てることはないよ。大切なことだからね。たとえば、まずは空き家が「特定空き家」にならないように、こまめに掃除をしたり換気をしたりすることから始めるのがいいのかもね。
ゴボ夫 なるほど…。昔の思い出がいっぱい詰まった実家をこんなふうに考えなきゃいけないなんて、なんだか切ないね。
リンジン先生 本当にそうだよね。でも、人口が減る中でも新しい家は作られているわけで、ある意味どうしようもないことなのかも。不動産を負動産なんていう人もいるけど、特に田舎の方だと難しくなってきているのが現状だね。
ゴボ夫 とにかく、このまま何もしないで放っておくのはよくないね。もっと実家のことを真剣に見つめ直すね。ありがとう、リンジン先生。
(イラスト・中村玲子)
TEL 0422-30-5800
MAIL info@town-kitchen.com
理想の働き方、暮らし方を実現できる物件をお探しします。まずはお気軽にご相談ください。空き物件を巡るまち歩きツアーや、空き家・空き地の利活用のご相談もお受けしております。
https://here-kougai.com/program/program-214/