ここからどうなる?4人のアイデア ゼミ#8初回レポート

2024.08.22
ここからどうなる?4人のアイデア ゼミ#8初回レポート

アイデアを地域で育てる実践型の創業プログラム「まちのインキュベーションゼミ#8」が、7月20日にスタートしました。20代から50代まで、学生さんや会社員、自営業の方など20人が集まった今回のゼミ。小金井市の近隣に住む方はもちろん、神奈川県や埼玉県など遠方から参加された方もいらっしゃいました。多くのアイデアの中からリーダーに選ばれた、4人のアイデアをご紹介します。

空き時間を活かし、つながりを生む定食屋

1人目のリーダーは、武蔵境にあるシェアキッチン8Kで惣菜・弁当を販売する「旬菜屋 おん」を出店中の若木いくみさん。普段の店舗営業で感じていた、「食を提供するだけでなく、地域の新しい発見をしたりつながりができる場を作りたい」という思いから、新しい飲食店のアイデアが生まれました。それは、ランチやディナーの時間以外のアイドルタイムをうまく使って、ワークショップやリモートワーク、試験勉強などにも利用できる定食屋です。“○○料理”という括りに捉われない地域の旬の素材を生かしたこだわりの料理に加え、多様な人が集まる空間を提供することで、人と人とのつながりを育もうとしています。

地域の食材を使った料理を提供することもまちの発見につながると考えている、若木さん
地域の食材を使った料理を提供することもまちの発見につながると考えている、若木さん

“利他ゾーン”を道に点在させるために

2人目は、現役大学生の南雲琴寧さん。まちとの関わりを研究する活動の一環で参加したという南雲さんのアイデアは、“利他ゾーン(自分の利益でなく他人の幸せを図る場所)”を道に点在させるためのワークショップ。例えば、お店の前にベンチを置く、パンの良い匂いを香らせるなど、まちの道を通る人にとって利他的な楽しいアクションをあちこちに仕掛けたい。そのためにまずは、アクションを仕掛けるお店の方向けのワークショップを開きたいと話します。南雲さん自身、田舎から上京した時に東京では隣に住む人のこともわからないなど、まちの冷たさを感じたことがアイデアのきっかけになったとか。このプロジェクトを通して、まちの人のコミュニケーションの活性化を目指します。

道を画一的な場所ではなく、個性ある楽しい場所にしたいと話す、南雲さん
道を画一的な場所ではなく、個性ある楽しい場所にしたいと話す、南雲さん

隙間時間で困り事を解決できる仕組み

3人目のリーダー、西山かおりさんのアイデアは、地域の人が隙間時間に気軽に助け合える仕組みづくり。「例えば、子育てや介護などでちょっと手を貸してほしい時、状況がわかればその瞬間に動ける人はいると思います」と、西山さんは話します。気軽に相談しにくい日常の些細な困り事を数分で解決するために、LINEを活用して地域の中で依頼者とサポーターのつながりを構築。目の前の困りごとを発信することで、動けるサポーターがすぐに駆けつけられる有償ボランティアの仕組みを考えています。まずは、身近な町内からスタートできればと検討中です。

高齢者や子育て世帯のちょっとした困り事が解決できるようにと、西山さん
高齢者や子育て世帯のちょっとした困り事が解決できるようにと、西山さん

地域をつなぐ、誰もが喜ぶ事業をつくりたい

4人目は、ゼミ#4のリーダーから勧められて参加を決めた小嶺航良さん。自分で何か地域と関わる事業を始めたいという思いから、今考えている2つのアイデアを教えてくれました。1つは、隣のまちへお弁当などを運ぶキッチンカー。近隣の食をキッチンカーで販売することでまちをつなぎ、飽きずにいつも楽しい食事ができるように。背景には、都心の会社に勤める小嶺さん自身が毎日同じ飲食店に行く選択肢しかなく、食事に飽きてしまった経験があったそう。2つ目は訪問買取と店舗販売で地域の人をつなぐコミュニティリサイクルショップ。「自分にも仲間にもお客さんにも喜びがある事業をつくりたい」と、アイデアのブラッシュアップを進めます。

チームミーティングなどを経て、今はキッチンカーのサービスに絞って具現化を検討中の小嶺さん
チームミーティングなどを経て、今はキッチンカーのサービスに絞って具現化を検討中の小嶺さん

リーダーごとにチームがつくられ、“まちにあったらいいな”と思うアイデアの具現化へと踏み出した初めの日。あたたかい雰囲気で、チーム内外でのコミュニケーションが活発だったのも印象的でした。4人のリーダーのアイデアが、この先どう進化していくのかが楽しみです。

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